汽車旅の記憶(14) 立山黒部アルペンルート(2010年8月)



立山黒部アルペンルートとは、「富山県側の立山駅から長野県側の扇沢駅まで、北アルプス北部の立山連峰の直下を貫く一連の公共交通機関」の総称です。全長は計37.2km、ケーブルカー・バス・トロリーバス※・ロープウェイなどを乗り継ぎながら、普段着で気軽に黒部ダムや北アルプスの展望を楽しむことができる人気の観光スポットです。ただ、冬期は10mを超える積雪に閉ざされるため、運行期間は4月~11月に限定されています。
ややコアな「乗りテツ」としては、ケーブルカーとトロリーバスも「乗車の対象」となります(ロープウェイも法令上は「鉄道」(索道と呼ぶ)ですが、「対象」とする方は非常に少ない)。私は2010年8月に訪問しました。
午前中にひと仕事を終え、長野県側の扇沢に到着したのはすでに夕方近く。「立山まで抜けられる最終の時刻」が迫っており、窓口で「立山まで」と切符を買おうとしたところ、「本当に行くんですね」と念押しされました。駅員氏から「どこかで乗り遅れると到着できないので、くれぐれもご注意を。私の方からも各駅に『これから通り抜けを希望するお客様がいる』ことを連絡しておきます」と「ご指導」をいただき、トロリーバス(当時、2019年に電気バスへ転換)に乗り込みました。
それからの約2時間半、どこにも立ち寄らず、ひたすら「北アルプスの夕景」を楽しみながら無事立山駅まで到着。慌ただしくも(私的には)楽しい旅でした。
※途中の室堂-大観峰を結ぶ「国内最後のトロリーバス」は、残念ながら2024年12月に廃止となってしまいました(2025年からは電気バスへ転換予定)。鉄道ファンとしては寂しい限りです。
