汽車旅の記憶(6) 大隅線【1981年8月】

 大隅線は、志布志から大隅半島を横切って日豊本線の国分に至る全長98.3キロの長い路線です。1981年8月、大学時代に鉄道研究部の仲間と来訪しましたが、1987年3月に惜しくも廃止となりました。
 車窓は、長閑な南国のローカル線そのもの。途中、海辺を走る区間もあり、はるばる訪ねた南九州を満喫しました。100キロ近い路線ですが、全線を通しで運行する普通列車が走っていました。冷房とは無縁の旧型のディーゼルカーがサボ(旧国鉄での「列車行先札」の正式な略称)を下げています。車番が「キハ26 460」とありますが、これは旧2等車を普通車に格下げした車両。2等車時代のクロスシートがまだ使われていて「ちょっと得した気分」が半分、格下げされた「落ちぶれ感」が半分であったことを思い出します。